アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの違いとは?防水材の選び方

屋根工事の見積もりや説明でよく目にする「アスファルトルーフィング」や「改質アスファルトルーフィング」。
一見似たような名前ですが、実は性能・耐久性・コストに大きな違いがあります。
この記事では、両者の特徴をわかりやすく比較し、「どちらを選ぶべきか」についても詳しく解説します。
屋根の防水下地選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
アスファルトルーフィングとは?

アスファルトルーフィングは、アスファルトを原料とした防水シートで、屋根材の下に敷く「防水層(下葺き材)」として使われます。
日本の住宅屋根ではもっとも一般的に使われており、防水性とコストのバランスが取れた素材として長年採用されてきました。
特徴
- 原料は紙またはフェルトにアスファルトを含浸させたもの
- 厚みは0.5〜1.0mm程度
- 切って使いやすく、施工も比較的簡単
- 一般的には「アスファルトルーフィング940」と表記される
メリット
- コストが安い(1㎡あたり数百円)
- 普及率が高く、入手しやすい
- 一般住宅のスレート屋根などに多用されている
デメリット
- 紫外線や熱に弱く、経年で硬化・ひび割れしやすい
- 寿命は10年程度と短め
- 気温変化の影響を受けやすい
改質アスファルトルーフィングとは?

改質アスファルトルーフィングは、アスファルトに合成樹脂やゴムなどの改質剤を混ぜて性能を高めた製品です。
「高耐久ルーフィング」「ゴムアス」などと呼ばれることもあります。
特徴
- アスファルトにポリマー(SBSなど)を加えて改良した高性能タイプ
- 強化不織布を芯材に使用し、引張強度が高い
- 耐熱性・柔軟性・耐候性に優れ、破れにくい構造
メリット
- 寿命が20〜30年と長く、長期的な防水性に優れる
- 気温差にも強く、熱でも柔軟性を保つ
- 雨漏りのリスクを大幅に軽減できる
デメリット
- 一般的なアスファルトルーフィングより材料費がやや高い(1.5〜2倍)
- 製品によって性能差があるため、選定には知識が必要
アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの比較表

項目 | アスファルトルーフィング | 改質アスファルトルーフィング |
防水性 | ◯ | ◎ |
耐候性・紫外線耐性 | △ | ◎ |
耐熱・耐寒性能 | △ | ◎ |
寿命(耐用年数) | 約10年 | 約20〜30年 |
コスト(材料単価) | 低(数百円/㎡) | 中〜高(700〜1,200円/㎡) |
推奨される工事規模 | 一般住宅・短期運用の屋根 | 長期運用前提の屋根・耐久性重視の建物 |
アスファルトルーフィングがおすすめのケース

改質アスファルトルーフィングに比べて価格が安く、シンプルな施工に適していることから、
以下のようなケースでは通常のアスファルトルーフィングの採用が向いています。
✅ 1. 費用をできるだけ抑えたいとき
「まずは最低限の雨漏り対策をしたい」「予算が限られている」という場合、アスファルトルーフィングはコストパフォーマンスに優れた選択肢です。
材料単価が安く、工事費用を抑えたい住宅リフォームに最適です。
✅ 2. 10年以内に再度リフォームや建て替えの予定がある場合
将来的に屋根材の変更や建て替えを検討している場合、長寿命の下葺き材を使うメリットは相対的に小さくなります。
そのため、耐用年数が10年程度のアスファルトルーフィングで十分なケースも多くあります。
✅ 3. 一般的なスレート屋根(カラーベストなど)の葺き替え
既存のスレート屋根を葺き替える際、下葺き材として標準仕様で採用されることが多いのがアスファルトルーフィングです。
スレート屋根自体の耐用年数も20〜30年程度のため、コストと性能のバランスを取った選択になります。
改質アスファルトルーフィングがおすすめのケース

改質アスファルトルーフィングは、耐久性・防水性・柔軟性に優れた高性能な下葺き材です。
屋根の寿命を最大限に引き出したい方や、厳しい気象条件にさらされる地域の住宅においては、こちらの採用が強く推奨されます。
以下のようなケースでは、初期費用が多少高くても長期的に見て安心・経済的な選択になります。
▶ 新築や長期運用を前提にしている場合
一度屋根を施工したら、できるだけ長くメンテナンスなしで使いたい方には、改質アスファルトルーフィングが最適です。
一般的なアスファルトルーフィングの2倍以上の耐用年数(約20〜30年)があるため、将来的な張り替えの手間や費用を軽減できます。
▶ 台風や雨の多い地域で、雨漏りを防ぎたい場合
改質アスファルトルーフィングは、柔軟性・耐熱性・耐水性に優れており、過酷な気候環境にも対応可能です。
特に、台風が頻繁に襲来する地域や年間降水量の多いエリアでは、雨漏りリスクを最小限に抑える強力な防水性能が求められるため、標準タイプよりも改質タイプの方が安心です。
▶ 高断熱・高耐久を求める住宅やガルバリウム鋼板屋根の場合
高断熱住宅やZEH住宅など、住宅性能にこだわる設計では、屋根下地にも高品質な材料を使うことが重要です。
また、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は結露しやすく、下葺き材に対する性能要求も高いため、
改質アスファルトルーフィングのような湿気・温度変化に強い素材が適しています。
ルーフィングシートに関するよくある質問
Q1. アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングは何が違うの?
A. 主な違いは「耐久性」と「柔軟性」です。
- アスファルトルーフィング:通常のアスファルトをしみ込ませたフェルトで、価格は安いが寿命は約10年程度。
- 改質アスファルトルーフィング:アスファルトにポリマー(合成ゴムや樹脂)を加え、耐熱性・防水性・柔軟性が高く、寿命は20〜30年。
見た目は似ていても、素材の質と性能は大きく異なります。
Q2. 改質アスファルトルーフィングの方が本当に長持ちしますか?
A. はい、改質タイプは耐用年数が約2〜3倍長いのが一般的です。
通常のアスファルトルーフィングが10年前後で劣化・硬化してくるのに対し、
改質アスファルトルーフィングは熱や紫外線による劣化が少なく、柔軟性を保ったまま長期間使用できます。
Q3. 改質アスファルトルーフィングは高いと聞きましたが、どのくらい違いますか?
A. 材料費でいうと、アスファルトルーフィングが1㎡あたり数百円に対し、改質アスファルトルーフィングは700〜1,200円程度です。
ただし、施工費はそれほど大きく変わらないことが多く、初期費用は2万円〜5万円の差で済むケースもあります(30坪程度の屋根の場合)。
Q4. どのようなときに改質タイプを選んだ方がいいですか?
A. 以下のような条件に該当する場合は、改質アスファルトルーフィングがおすすめです。
- 新築住宅や20年以上使う予定の家
- 台風や降雨が多い地域
- ガルバリウム鋼板など、結露しやすい金属屋根
- ZEH住宅など住宅性能を重視する場合
Q5. 屋根工事の見積もりにルーフィングの種類が書いていないのですが…?
A. ルーフィング材の種類が見積書に書かれていない場合、標準的なアスファルトルーフィングが使用されると考えてよいでしょう。
見積もりを依頼するときに、「改質アスファルトルーフィングにできますか?」と尋ねると、グレードアップした仕様で提案してもらえることが多いです。
Q6. ルーフィングが劣化するとどうなりますか?
A. ルーフィングが劣化すると、防水性能が低下して雨漏りが発生する可能性が高くなります。
特にアスファルトルーフィングは、経年により
- 硬化・ひび割れ
- 防水層としての密着不良
が起こりやすく、屋根材の下に水が入り込む原因となります。
Q7. 屋根の上からは見えないのに、なぜルーフィングが重要なのですか?
A. ルーフィングは、屋根材の下にある“最後の防水ライン”です。
瓦やスレートなどの屋根材だけでは、強風や横殴りの雨で雨水が侵入することがあります。その雨水を受け止め、室内への浸水を防ぐのがルーフィングの役割です。
Q8. 既存の屋根に改質アスファルトルーフィングを使うことはできますか?
A. はい、可能です。屋根の葺き替え工事やカバー工法(重ね張り)の際に、下葺き材として改質アスファルトルーフィングを選ぶことができます。
むしろ既存屋根の劣化が進んでいる場合は、高耐久の防水材を選ぶことで、次の工事までの期間を延ばす効果が期待できます。
Q9. どのメーカーの改質アスファルトルーフィングがおすすめですか?
A. 代表的な製品には以下のようなものがあります:
- 田島ルーフィング「ニューライナールーフィング」
- ニチハ「改質アスファルトルーフィングEX」
- 旭ファイバーグラス「マスタールーフィング」など
施工業者が取り扱っているものの中から、耐用年数・遮熱性能・価格のバランスを見て選びましょう。
Q10. 将来売却を考えている場合でも、改質タイプにする価値はありますか?
A. はい、将来の住宅売却や賃貸活用を想定している場合でも、屋根の状態が良好であることは査定額や印象に大きく影響します。
改質アスファルトルーフィングを使っておくことで、
- 雨漏りリスクの少ない住宅として評価されやすい
- 修繕記録に「高耐久仕様」と記載できる
など、資産価値の維持にもつながります。
まとめ:長持ちする屋根には「改質アスファルトルーフィング」がおすすめ
アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングは、見た目こそ似ていますが、性能と耐久性に大きな違いがあります。
- 短期的にコストを抑えたいなら:アスファルトルーフィング
- 長期的な耐久性と安心を求めるなら:改質アスファルトルーフィング
屋根は簡単にやり直しができないからこそ、「見えない防水層の選択」が、家を長持ちさせる鍵になります。
見積もりの際は、ルーフィング材の種類もしっかり確認することをおすすめします。
お問合せ・無料点検はこちら

屋根の不具合は、早めに気づいて対処することが何より大切です。
「見てもらうだけでもいい?」 「とりあえず相談だけ…」 という方も大歓迎!お気軽にご相談くださいね(^^)/
電話番号: 0120-254-425
メールアドレス: info@maxreform.co.jp
お問い合わせフォーム: こちらをクリック
公式LINE: LINEでお問い合わせ
予約カレンダー: こちらをクリック
匿名でのご相談もOK!皆様のご利用をお待ちしております✨✨