棟瓦の取直し費用はいくら?相場と内訳をプロが解説!

瓦屋根の中でも特にトラブルが多いのが「棟瓦(むねがわら)」です。
地震や強風、経年劣化などによりズレたり、外れたりしやすく、放置すれば雨漏りの原因にもなります。
そんな棟瓦の修理方法として一般的なのが「取直し工事」です。しかし、いざ修理しようとすると、
- 費用はどれくらいかかるの?
- 見積書の「内訳」がよく分からない…
- せっかくなら丈夫にしたいけど方法はある?
という疑問が次々に湧いてくることでしょう。
この記事では、棟瓦の取直しにかかる費用相場や工事内容、費用内訳の見方、防災仕様(強力棟)へのグレードアップまで、屋根のプロの視点から徹底解説します。
棟瓦とは?屋根の頂上にある重要パーツ

棟瓦とは、屋根の「頂上」に取り付けられている瓦のことです。雨水の侵入を防ぎ、屋根材同士の接合部を保護する役割を担っています。
【棟瓦の主な役割】
✅ 屋根の接合部からの雨水侵入を防ぐ
✅ 風の力を受け流す構造を支える
✅ 屋根の見た目を整える装飾的役割
しかし、この棟瓦は屋根の中でも特に外的衝撃を受けやすい場所。地震や台風などの自然災害でズレやすく、メンテナンスが必要となる頻度も高めです。
棟瓦の取直しとは?|積み直しとの違いにも注意
「取直し(とりなおし)」とは、既存の棟瓦を一度取り外して、下地の補修を行い、再び元の瓦を使って組み直す工法です。
一方、「積み直し」は似た意味で使われることもありますが、業者や地域によっては定義が異なる場合もあります。
🔍 棟瓦取直しの基本手順
棟瓦の取直し工事は、以下のような工程で進みます。プロの手による丁寧な作業が、屋根の耐久性を大きく左右します。
- 既存の棟瓦・土・漆喰を撤去
→ 劣化した棟部分をすべて取り外し、下地の状態を確認します。 - 下地(のし瓦・木材など)の補修または交換
→ 腐食した木材やズレたのし瓦を補修・交換し、強固な基礎を作ります。 - 棟瓦の再施工(再利用)
→ 既存の瓦が再使用可能な場合は、整えながら丁寧に再設置します。 - 漆喰の塗り直し・補強
→ 防水性と耐震性を高めるため、漆喰や南蛮漆喰でしっかりと固定します。
瓦をすべて新品に交換するわけではないため、葺き替えよりも費用を抑えつつ、耐久性を回復できるのが特徴です。
棟瓦の取直しにかかる費用相場|全国平均と参考価格
棟瓦の取直し費用は、棟の長さや劣化状況、施工方法によって変動します。以下は一般的な費用の目安です。
内容 | 費用の目安(税別) |
棟瓦取直し(5m未満) | 5〜8万円前後 |
棟瓦取直し(10m程度) | 10〜15万円前後 |
防災棟への変更あり | +3〜6万円程度 |
足場設置(必要な場合) | 8〜15万円 |
👉 10mの棟瓦取直し+足場+防災棟仕様なら、総額20〜25万円前後になることが多いです。
棟瓦取直しの費用内訳|見積もり書のチェックポイント
見積書に記載される主な項目と、それぞれの内容は以下のとおりです。
✅ 工事費用(施工費)
職人の人件費や技術料にあたります。作業の難易度によっては費用が高くなることも。
✅ 材料費
漆喰、南蛮漆喰、銅線、シーラー、ビスなどの副資材が含まれます。
✅ 廃材処分費
撤去した漆喰や土、瓦の一部が廃棄対象となる場合、産廃処分費が発生します。
✅ 足場設置費用(必要な場合)
2階建て以上、もしくは傾斜のきつい屋根では足場が必須となります。
強風・地震に備える「防災棟」への仕様変更もおすすめ!
近年、地震や台風などの自然災害が頻発する中で、通常の棟瓦では不安という声が増えています。
そこで注目されているのが「防災棟(ぼうさいむね)」または「強力棟(きょうりょくむね)」と呼ばれる仕様です。
▶ 防災棟(強力棟)とは?
従来の棟は「土や漆喰」で固定されていましたが、防災棟はビスや金具を使用して、棟瓦と屋根構造をしっかり一体化させます。
【防災棟の特徴】
✅ 棟瓦のズレ・落下リスクを大幅に低減
✅ 地震・強風でもしっかり固定され安心
✅ メンテナンスの頻度が下がる
初期費用はやや上がりますが、将来的な修理リスクが減るため、結果的にコストパフォーマンスは高くなる選択です。
棟瓦取直しが必要なサインとは?
棟瓦は屋根の最上部にあるため、小さなズレや劣化でも被害が広がりやすい部位です。以下のような兆候が見られる場合、早めに専門業者へ点検を依頼するのがおすすめです。
🔸こんな症状があれば要注意!
- ✅ 棟瓦がズレている・浮いている
→ 地震や強風の影響で固定が弱まり、瓦が動いている可能性があります。 - ✅ 棟瓦の漆喰がはがれている
→ 接合部の防水性が失われ、雨水が内部に浸入しやすくなります。 - ✅ 屋根の上に崩れた瓦や破片が落ちている
→ 目視で破損を確認できる場合は、すでに劣化が進行している証拠です。 - ✅ 雨漏りが起きているが原因が分からない
→ 屋根の頂部から侵入しているケースも多く、棟瓦が原因であることがあります。 - ✅ 地震や台風のあとで屋根が心配
→ 見た目は問題なくても、内部で瓦や下地がズレているケースがあります。
火災保険や助成金で費用を抑えられるケースも
棟瓦のズレや破損が台風・地震・積雪などの自然災害によるものと認められる場合、火災保険で補修費用がカバーされることがあります。
🔍 火災保険が棟瓦取直しに適用されるためのポイント
棟瓦のズレや破損が自然災害によるものと判断される場合、火災保険で修理費用が補償される可能性があります。以下の条件を満たしているか、事前に確認しておきましょう。
✅ 火災保険適用の3つの条件
- 原因が自然災害であること
→ 台風・強風・大雪・地震などによる破損であることが必要です。経年劣化や施工不良は対象外です。 - 被災から3年以内であること
→ 保険請求には時効(3年)があります。被災時期が曖昧でも、写真や施工履歴などで証明できることもあります。 - 写真・報告書などの証拠を揃えること
→ 被災状況を示す屋根の写真や、専門業者による被害報告書が重要です。点検時に必ず記録してもらいましょう。
棟瓦取直し工事の注意点と業者選びのコツ
棟瓦の取直し工事は、施工の良し悪しが屋根全体の耐久性や雨漏りリスクに直結する重要な工事です。
費用をかけて修理する以上、「長く安心できる施工」が理想ですよね。そのためには、信頼できる屋根業者選びが何よりも重要です。
以下は、業者選びで失敗しないための具体的なチェックポイントです。
✅ 屋根専門の業者であること
屋根工事は専門性が高く、棟瓦の構造や力のかかり方を熟知していないと、見えない部分の施工ミスが起きやすい分野です。
リフォーム業全般ではなく、屋根工事専門の業者を選ぶことで、技術的にも信頼性が高い傾向があります。
「外壁も内装も何でもやってます」より、「屋根工事専門」の会社の方が精度・経験値は上です。
✅ 点検・見積もりが無料で、対応が丁寧であること
信頼できる業者は、現地調査や見積もりを無料で丁寧に行ってくれるものです。
また、点検時には屋根の写真を見せながら、劣化状況や修理の必要性を具体的に説明してくれるかも大切な判断基準です。
逆に、「今すぐ契約すれば安くなります」など即決を迫る業者は注意が必要です。
✅ 工事写真やビフォーアフターを公開している
公式サイトやSNSで実際の施工事例や写真を掲載しているかも大きな判断材料です。
ビフォーアフターがきちんと残されている業者は、それだけ施工の質に自信がある証拠。
また、工事中の写真を報告書として提出してくれる業者なら、施工の透明性も高く安心です。
✅ 建設業許可を取得している/保険申請に対応できる
「建設業許可」を取得している業者は、一定の実績・財務基盤・技術者の在籍が認められている業者です。
また、火災保険や地震保険を活用した修理に対応できる業者は、被災写真や見積書の書き方にも慣れており、スムーズな申請が可能です。
保険適用の実績があるかも、問い合わせ時に確認しておきましょう。
✅ 強引な営業や即決を迫らない
「今だけ安くできます」「この場で契約しないと材料が足りなくなる」などの営業トークは要注意。
信頼できる業者は、複数社との比較を推奨したり、じっくり検討する時間を与えてくれるのが特徴です。
こちらの質問にも真摯に答えてくれるか、誠実な対応かどうかを見極めましょう。
棟瓦の取直しに関するよくある質問
Q1. 棟瓦の「取直し」とは、どんな工事ですか?
A.
棟瓦の取直しとは、屋根の棟(むね)部分にある瓦を一度すべて取り外し、下地の補修や土・漆喰の入れ替えを行った上で、再び瓦を積み直す工事のことです。既存の瓦を再利用するため、葺き替えよりも費用を抑えつつ、耐久性を回復できます。
Q2. 棟瓦の取直し費用はいくらくらいかかりますか?
A.
費用は棟の長さや劣化状況によって異なりますが、一般的には10mで10〜15万円前後が相場です。足場の有無や防災棟(強力棟)への変更を加えると、20〜25万円程度になるケースもあります。
Q3. どんな症状が出たら棟瓦の取直しが必要ですか?
A.
代表的なサインには以下があります。
- 棟瓦がズレている・浮いている
- 漆喰が崩れている
- 瓦の破片が落ちている
- 雨漏りが起きているが原因が不明
- 地震や台風後に心配な箇所がある
早めの点検が、費用と被害を抑えるカギです。
Q4. 棟瓦を防災棟(強力棟)に変更すると何が違うの?
A.
防災棟は、瓦をビスや金具でしっかりと固定する工法で、地震や強風に強いのが特長です。ズレ・落下のリスクを大幅に減らせるため、災害対策として導入する方が増えています。取直しのタイミングで同時施工がおすすめです。
Q5. 棟瓦の取直しだけで雨漏りは止まりますか?
A.
棟瓦が原因の雨漏りであれば、取直しで改善することが多いです。ただし、屋根全体に劣化がある場合は、他の補修や葺き替えが必要になることもあります。まずは現地調査で原因特定が重要です。
Q6. 火災保険は棟瓦の修理に使えますか?
A.
台風や地震、雪害などの自然災害による破損であれば、火災保険が適用されるケースがあります。適用には「原因証明(写真)」「申請期限(原則3年以内)」などの条件があるため、保険対応の実績がある業者に相談しましょう。
Q7. 取直しした瓦は新品に交換してくれるのですか?
A.
原則として、再利用可能な瓦はそのまま使います。ただし、割れや大きな劣化がある瓦は部分的に交換することがあります。すべて新品にする場合は「葺き替え工事」となり、費用も大きく変わります。
Q8. 工事期間はどのくらいかかりますか?
A.
棟の長さや天候条件によりますが、一般的には1日〜3日程度で完了することが多いです。足場を組む場合は前後で+1〜2日かかる場合があります。
Q9. 工事中の騒音やご近所への影響はありますか?
A.
瓦の撤去・施工時に一時的な騒音が発生することがあります。多くの業者は近隣へのあいさつや配慮を行いますが、気になる方は事前に相談しておくと安心です。
Q10. どの業者に頼んでも同じですか?
A.
いいえ。屋根専門業者かどうか、施工実績が豊富か、火災保険対応に詳しいかなどで対応力に差があります。また、見積もりや説明の丁寧さも大切な判断材料です。価格だけで選ばず、信頼性を重視しましょう。
まとめ|棟瓦取直しは「適正費用×安心施工」が大切
棟瓦の取直し工事は、屋根の美観と耐久性を守るために欠かせない修繕です。
費用はおおよそ10〜25万円前後が目安ですが、屋根の状態や施工内容によって変動します。
また、強風・地震対策として防災棟(強力棟)への仕様変更も非常に有効です。
屋根は住宅の“最前線の守り”です。劣化を放置せず、早めの点検と適切な工事で、長く安心して住める住まいを守りましょう。
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