鬼瓦修理の費用相場は?職人が教える適正価格と依頼のコツ

鬼瓦

「屋根の鬼瓦がズレているけど、修理っていくらかかるの?」
「業者から高額な見積もりが出たけど、これって妥当なの?」

鬼瓦の修理は頻繁に行うものではないため、費用感がわかりにくく不安になりやすいですよね。

この記事では、鬼瓦の修理費用の相場や価格が決まる要因、依頼時の注意点や火災保険の活用法まで、屋根職人の視点から詳しく解説します。

目次

鬼瓦って何?役割と修理が必要な理由

「鬼瓦(おにがわら)」とは、日本家屋の屋根の端部(棟の両端や妻側)に取り付けられている装飾瓦のことです。

古くから魔除けとしての意味も込められ、厳つい顔や家紋の彫刻が施されることも多く、家の“顔”としてシンボリックな存在といえます。

しかし、鬼瓦は単なる装飾ではなく、屋根の構造や防災面においても重要な役割を担っています。

▶ 鬼瓦の3つの実用的な役割

1. 棟瓦の端部を押さえ、風雨から守る

鬼瓦は、棟瓦(屋根の頂上に連なる瓦)の端部に取り付けられ、雨風の侵入を防ぐ“フタ”のような役割を果たしています。

これが外れると、棟瓦の内部に雨水が侵入し、雨漏りや屋根構造の腐食の原因となることもあります。

2. 棟瓦のズレを防ぎ、屋根の構造を安定させる

鬼瓦は、単に被せてあるだけでなく、漆喰やモルタルで固定されて棟瓦全体を押さえる役割も担っています。

そのため、ズレたり落下したりすると、棟瓦全体のバランスが崩れ、屋根全体の強度が低下してしまう可能性があります。

3. 屋根の「顔」としてのデザイン性を高める

昔ながらの和瓦の屋根では、鬼瓦の存在が重厚感や格式を感じさせる美しい外観を演出しています。

家紋入りや手彫りのものもあり、家の個性や歴史を象徴する存在として、景観的にも大きな意味があります。

▶ 鬼瓦の修理が必要な理由

見た目は頑丈そうな鬼瓦ですが、以下のような原因で破損やズレが発生することがあります。

  • 台風や地震、落雪などによる衝撃
  • 漆喰やモルタルの劣化による固定力の低下
  • 経年劣化による瓦のゆがみ・割れ

これらを放置してしまうと、最悪の場合、瓦の落下事故や雨漏り、屋根構造の崩壊に繋がるリスクも。

そのため、「グラつき」や「ズレ」を発見した時点で、早めの補修や点検が必要です。


鬼瓦修理の費用相場は?

修理内容や屋根の状況によって異なりますが、一般的な費用の目安は以下の通りです。

修理内容費用相場(税別)
鬼瓦のズレ直し(簡易固定)15,000〜30,000円/箇所
鬼瓦の一部交換+漆喰補修30,000〜60,000円/箇所
鬼瓦の完全交換+棟瓦積み直し80,000〜150,000円/箇所
足場設置が必要な場合+80,000〜150,000円程度

※高所や急勾配屋根、特殊な鬼瓦(陶器製・手彫り仕上げなど)は価格が上がる傾向があります。


鬼瓦修理の費用が高くなる要因とは?

「思っていたより高い…」と感じたら、以下のようなコスト増の要因が考えられます。

● 足場の有無

高所作業が必要な場合、安全のために足場を組む必要があり、10万円前後の追加費用がかかることがあります。

● 鬼瓦の種類

昔ながらの陶器製や手彫りの装飾瓦は再現が難しく、特注や手作業が必要になれば費用が上昇します。

● 棟瓦や漆喰の劣化

鬼瓦だけでなく、棟全体の補修や積み直しが必要なケースでは工事が広範囲に及び、10万円以上になることもあります。


鬼瓦修理に火災保険を活用するための3つのポイント

お金のこと

鬼瓦の破損が台風や突風、落雪などの自然災害によるものであれば、火災保険が適用される可能性があります。

ただし、スムーズに申請を通すには、事前準備と書類の整備がとても重要です。

以下のポイントを押さえておきましょう。

▶ 1. 修理前に写真撮影をする(被害箇所の証拠)

被害の状況を正確に記録するために、修理前に現場の写真を必ず撮影しておきましょう。具体的には、以下のような写真が有効です。

  • 落下・ズレ・ひび割れなど被害箇所のアップ
  • 広角で屋根全体の状態が分かる写真
  • 雨漏りがある場合は、室内の状況も撮影

💡 修理後では証拠が残らず、保険会社に損傷の程度を説明できないため申請が通らないリスクが高くなります。

▶ 2. 「事故日(被害が発生した日)」を明確にする

保険申請には、被害が発生した日=事故日の記載が必要です。

自然災害による損傷であれば、「○月○日の台風の影響」といった記載が求められます。

💡 気象庁の災害データを元に証明できる日付を設定すると、申請の信頼性が高まります。

▶ 3. 専門業者による「診断書・見積書」を添付する

屋根の損傷が自然災害によるものと判断されやすくなるのが、屋根業者による写真付きの診断書や修理見積書です。

保険会社は「自然災害による損害」であるかを重視するため、第三者のプロによる客観的な資料があると、申請がスムーズに通る可能性が高まります。


鬼瓦修理で失敗しないための業者選びチェックポイント

松本和也

鬼瓦の修理を成功させるには、経験豊富で信頼できる専門業者に依頼することが最も重要です。

以下のポイントをチェックすることで、質の高い施工をしてくれる業者かどうかを見極めることができます。

▶ 屋根工事・瓦修理の専門業者であること

まずは、「鬼瓦の修理」に対応できるだけの経験と知識を持った屋根専門の業者かどうかを確認しましょう。

雨漏り業者や外壁リフォーム業者では対応しきれない場合もあるため、瓦屋根を熟知した職人が在籍している会社が理想的です。

▶ 建設業許可(とくに屋根工事業)を取得している

屋根修理には建設業法に基づく「屋根工事業」の許可が必要な場合があります。

許可を持っている業者は、一定の実績と信用がある証拠でもあるため、業者選びの重要な指標となります。

▶ 写真付きの診断書を提出してくれる

屋根の状態を実際に屋根に上がって確認し、写真付きで報告してくれる業者は信頼性が高いです。

診断報告書があれば、自分の目で状況を確認できるため、見積内容との整合性も判断しやすくなります。

▶ 火災保険の申請サポートに慣れている

自然災害による損傷の場合、火災保険の活用によって自己負担を大幅に減らせる可能性があります。

そのため、保険申請の流れや必要書類の準備に慣れている業者を選ぶことで、スムーズに進めることができます。

▶ 「鬼瓦修理のみ」の小規模工事にも丁寧に対応してくれる

中には「屋根全体のリフォームしかやらない」業者もありますが、鬼瓦の補修だけといった小規模な依頼でも丁寧に対応してくれる業者が理想です。

地域密着型の屋根専門業者は、こうしたニーズにも柔軟に応えてくれる傾向があります。


鬼瓦修理で失敗しないための3つのコツ

鬼瓦の修理は、高所作業や専門的な知識を要するため、費用の妥当性や業者選びに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで、鬼瓦修理で後悔しないために押さえておきたい3つのポイントを、わかりやすくご紹介します。

▶ 1. 相見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることで、価格だけでなく対応力や説明の丁寧さも比較できます。

安すぎる業者には注意が必要ですが、相場より明らかに高い業者を避けるためにも、最低でも2〜3社から見積もりを取ることが推奨されます。

▶ 2. 見積書に「施工範囲」が明記されているか確認する

「鬼瓦修理一式」など曖昧な記載では、どの箇所をどのように修理するのかが不明瞭で、追加費用が発生しやすくなります。

見積書には、

  • 「〇〇棟の鬼瓦再固定」
  • 「モルタル補修 〇ヶ所」
    など、具体的な作業内容と数量が記載されているかどうかを確認しましょう。

▶ 3. 火災保険の活用可能性を聞いてみる

台風・強風・地震・落雪などによって鬼瓦が破損した場合、火災保険が適用される可能性があります。

保険が適用されれば、
✅ 修理費用が全額カバーされる
✅ 一部負担で済む場合もある
など、自己負担を大きく減らせるケースが多いです。

保険対応の実績がある業者であれば、申請に必要な見積書・被害写真・報告書などの書類もスムーズに準備してくれるので、見積もり時に「火災保険の対応経験はありますか?」と質問してみましょう。


鬼瓦に関するよくある質問

Q1. 鬼瓦とは何のためにあるのですか?

A. 鬼瓦は、日本瓦屋根の棟(屋根のてっぺん部分)の端部に取り付けられる装飾瓦です。

見た目の装飾としての役割に加え、以下のような実用的な機能も持っています。

  • 棟瓦の端を押さえて、雨や風の侵入を防ぐ
  • 屋根の構造を安定させる
  • 家の魔除けや縁起物としての意味合い

そのため、鬼瓦がズレたり外れたりすると、雨漏りや瓦の落下、屋根の歪みなどの原因にもなるため注意が必要です。

Q2. 鬼瓦の修理にはどのくらい費用がかかりますか?

A. 修理費用は状況によって異なりますが、以下が目安です。

  • 漆喰の部分補修:2〜4万円程度
  • 鬼瓦の再固定(接着や補強):3〜6万円程度
  • 鬼瓦の交換(既製品):5〜10万円程度
  • 特注で再製作:10万円以上

また、2階屋根や急勾配の屋根では足場代(8〜20万円)が別途必要なケースもあります。

Q3. 鬼瓦が落ちそうになっているのですが、すぐ修理すべきですか?

A. はい、放置は非常に危険です。

落下して通行人や車に当たると重大な事故や賠償問題になる可能性があります。

また、落下を免れていても、内部から棟瓦が緩んで雨漏りの原因になることもあるため、早めに屋根業者へ点検を依頼しましょう。

Q4. 鬼瓦の修理に火災保険は使えますか?

A. 台風や強風、落雪、地震など自然災害が原因の破損であれば、火災保険が適用される場合があります。

その際は、以下の点が重要です。

  • 被害発生時期(事故日)の特定
  • 修理前の被害写真
  • 屋根業者による診断書・見積書の添付

なお、経年劣化は保険の対象外となるため、自然災害と判断される証拠が必要です。

Q5. 鬼瓦の交換には既存と同じデザインを選ぶ必要がありますか?

A. できれば同じデザイン・寸法のものが望ましいですが、現行品で全く同じものがない場合は近い代替品を使います。

家紋入りや特注品の場合は職人による再製作が必要となり、費用と納期がかかることがあります。

美観を損なわないように、屋根全体とのバランスを考慮して選定することが大切です。

Q6. 鬼瓦が割れているのですが、自分で補修できますか?

A. 原則としておすすめできません。

鬼瓦は屋根の高所・端部にあり、落下やケガのリスクが高い作業となります。

また、漆喰やモルタルによる固定には専門的な技術が必要で、誤った施工はかえって被害を広げる原因になります。

必ず屋根工事に対応できる専門業者に依頼しましょう。

Q7. 鬼瓦が1つだけズレているのですが、全体の工事が必要ですか?

A. 状況によります。

1つだけズレているように見えても、実際は棟全体の漆喰が劣化しているケースも多く、周辺の瓦まで点検した上で補修の範囲を決める必要があります。

診断だけなら無料の業者もあるので、まずは点検を依頼するのがおすすめです。

Q8. 鬼瓦修理はどの業者に頼むのがよいですか?

A. 以下の条件を満たす業者が理想です。

  • 屋根工事・瓦修理の専門業者である
  • 建設業許可(屋根工事業)を取得している
  • 写真付きの診断書を出してくれる
  • 火災保険申請のサポート経験が豊富
  • 小規模修理にも丁寧に対応してくれる

訪問販売業者や、価格が極端に安い業者には注意しましょう。

Q9. 鬼瓦の修理にどれくらい時間がかかりますか?

A. 小規模な補修(再固定・漆喰補修)のみであれば、1日で完了することもあります。

ただし、足場の設置や鬼瓦の取り寄せ、再製作が必要な場合は、数日~2週間ほどかかることもあります。

工期は見積もり時に確認しておくと安心です。

Q10. 鬼瓦の修理と一緒に、他の屋根の点検もしてもらえますか?

A. はい、信頼できる屋根業者であれば、点検時に棟瓦や漆喰、屋根全体の状態もあわせてチェックしてくれます。

鬼瓦の不具合は、屋根全体の劣化のサインである可能性もあるため、セットで点検してもらうことをおすすめします。


まとめ:鬼瓦修理は“適正価格”と“的確な対応”が鍵!

鬼瓦の修理費用は、工事の内容・屋根の状況・業者の技術力によって大きく異なります。

相場を知らないまま依頼してしまうと、不要な工事や高額請求のリスクもゼロではありません。

  • 平均相場:1~5万円(簡易修理)〜10万円以上(交換・積み直し)
  • 火災保険の活用で費用軽減も可能
  • 専門業者に依頼し、写真付きの診断を受けるのが安心

鬼瓦がズレたり落ちそうな状態を放置すると、雨漏りや事故の原因にもなります。

「ちょっとおかしいかも」と思ったら、早めに無料点検を依頼しましょう!

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屋根の不具合は、早めに気づいて対処することが何より大切です。

「見てもらうだけでもいい?」 「とりあえず相談だけ…」 という方も大歓迎!お気軽にご相談くださいね(^^)/

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